私が面接官として担当するのは、いわゆる「一次面接」です。新卒であれば最終面接(おもに社長面接)でも、フォロー役として同席します。
面接の際は、どの面接官も事前に履歴書等の資料を読み、ある程度聞いてみたい事を考えて臨みます。そこで話が膨らめば、新しく質問したいことができ、会話も弾んでいくでしょう。笑いの間などできれば最高です。
逆に応募者の緊張などで会話が単発となり、質疑応答もとくになく、面接も早々に終わってしまった場合は、大抵結果も芳しくありません。
そこで、今回は「面接」を自分に有利に働かせる履歴書(エントリーシート)の書き方についてお伝えします。
この記事を読むと、こんなことがわかります。
履歴書の基本
①黒のボールペンで丁寧に描く
青色、消えるペンはNG。マジックも年配の面接官は嫌う人もいるので、避けた方が無難です。
②プリントアウトしたコピー用紙を使用しない
最近多いのですが、履歴書のテンプレートをダウンロードし、コピー用紙の履歴書を持ってくる方がいます。しかもA4で2枚のときも。これはやめてください・・。エントリーシートは別ですが、きちんとB4サイズ、もしくはA3サイズの厚紙で用意してください。
③郵送時、差出人の記入もれに注意
面接がzoom等の場合、履歴書を郵送するよう、お願いすることがあります。本来、封筒の裏面には差出人の住所氏名を書きますが、ここが未記入の方が半数近くいます。常識の範囲ですので、忘れずに記入しましょう。
写真で気を付けること
①対面時と差異のないものを使う
履歴書と実物が異なっていることも、よくあります。加工のし過ぎがダメなのはもちろんですが、ばっさり髪を切ったり、眼鏡の有無、あきらかな体重の増減等で、二度見することも。履歴書の提出時に、改めて撮るのは面倒かもしれませんが、写真は極力新しいものを使い、散髪等で容姿に大きな変化があれば、面接時に写真を持参して、差し替えを申し出てもいいでしょう。
②専用「証明写真」を使う
履歴書の写真もコピー紙はやめましょう。面接官は何十、何百の履歴書を見ています。
コピー紙の写真が貼ってある履歴書はみすぼらしく、悪目立ちするのです。履歴書を見ただけで「駄目だな」となりかねません。
「質問したくなる」内容を入れる
面接を有利に進めるには、出来るだけ『話しやすい話題』へ誘導しましょう。
別に面白いことを言う必要はありません。面接官と「会話」が弾めば良いのです。
そのため、履歴書は面接官が質問したくなるように、想定しながらキーワードを入れてください。
例えば、趣味の欄に
①「走ること」
②「マラソン、毎年市民大会に出場」
と記入した場合、②のほうが、面接官が興味を持ち、質問してくれそうですよね。
面接官は面接で、仕事のスキルや入社意欲も確認したいですが、アイストークをすることによって応募者の緊張をほぐし、会話の中で(意外とネガティブ思考だな)とか、(思ったよりチャレンジ精神旺盛だな)など、人柄や性格を分析しているのです。
そのためにも自分が得意な事や、会社が興味を持ってくれそうな内容を入れることを意識しましょう。
内容の一例
業界に関係するアルバイト経験、資格→会話の膨らみ、志望動機の裏付け
大会出場や表彰経験→責任感やリーダーシップのアピール
残念な履歴書エピソード
失敗から学ぶという言葉があります。私が今までみた履歴書にまつわるエピソードです。
☆用紙
・(対面)面接に来られた際、鞄から履歴書を出し、その場で写真を張り始めた
・(対面)面接に来られた際、鞄から履歴書を出し、その場で履歴書の日付を書き足した
・(長く持ち歩かれたのか)紙がボロボロ
・志望動機・アピールポイントの欄が空白
・面接時に履歴書を忘れた(取りに帰られました)
☆面接時
①「趣味」にボランティア活動とあったので詳細を聞くと、過去一年間で1度川沿いの清掃 活動に参加しただけだった。
⇒話が広がらない。そもそも趣味ではない。
②長期間のアルバイト経歴があったので、バイトリーダー等の経験の有無を聞くと、「リーダーになると○○しないといけなくなるから・・」
⇒責任感、向上心がないような印象を受ける
③志望動機が希薄。業界さえ同じなら、どこでも使いまわせそうな文面
⇒例:「食に興味があり、子供のころ○○に行った思い出から・・」
面接を有利にする書き方とは
では、具体的にどう書けばいいのか、上記のエピソードを修正してみます。
①:清掃活動のエピソードは趣味ではなく、最近印象に残ったエピソードとして、話に盛り込みましょう。例えば趣味を「清掃」にして面接官に質問させ、どこを清掃しているか話した後、追加で『後、家ではないのですが、最近ボランティア活動で○○川の清掃に参加して・・』と付け足すのです。
②:「リーダー経験はないが、後輩指導は任されていた」「現任のリーダーが素晴らしく、サポート役として勉強している」、わざわざマイナス印象を与えそうな話をする必要はありません。
③:志望動機は自分で読み返し、面接官になったつもりで質問しながら書いてください。
例えば飲食業界の会社で上記の「食に興味あった」程度の志望動機だと、以下のような質問が入るかもしれません。
「食と言っても色々ある。なぜこの業界なのか?」
「ひとえに飲食業界といっても、レストラン、ファストフード、キッチンカー(もしくはイタリアン、和食等)などがあるが、何に一番興味があるのか?それは何故か?」
「数ある会社の中で、なぜ当社なのか?ライバル会社ではだめなのか?」
志望動機は=入社意欲と捉えられます。適当に書くと見抜かれますので、面接官になったつもりで問答しながら書くと、面接時にも慌てず、受け答えにも自信が持てます。是非、試してみてください。
まとめ
面接を有利にする履歴書をつくるには
・履歴書の基本を再確認する
・写真は証明写真を使う
・質問したくなるキーワードで、話したいエピソードへ誘導する
・面接官になったつもりで志望動機を掘り下げる
面接を有利にする履歴書の作り方について、書いてみました。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
これからも、はじめての転職活動者を中心に、参考となる記事を執筆していきます。貴方の転職活動の一助となりますように。応援しております。