現役人事担当者
ひらえる
この記事を書いた人:某上場企業グループ会社で10年以上、中途・新卒共にリクルート業務全般を担当中。会社説明会200回以上、面接した人の数300人以上。自分の会社で不採用となった方にアドバイスするうち、他社に受かったと感謝のお電話を頂戴した経験から、リクルートに関したブログを立ち上げる事を決意。 「一人でも多くの方が内定を勝ち取れるよう、転職活動のブログを執筆していきます。」
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これだけは知っておこう!転職前後に必要となる住民税の知識

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私は採用担当者ですが、社会保険事務も担当しています。その中でも、中途採用の方に相談されるのが「住民税」特別徴収の手続きです。30代以降の方でも、仕組みについて理解している方は少なく、一から説明しています。

今回は転職前後の「住民税」手続きのため、仕組みについて、簡単にご説明します。

この記事を読むと、こんなことがわかります。

住民税とは

住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があり、その市区町村(都道府県)に住所などがある個人が負担するものが「個人住民税」です。

基本的には、居住地=住民票の住所となるはずなので、H市に住んでいる人は、H市から住民税の請求がきます。

支払方法

会社員   :特別徴収⇒給与から天引き

会社員以外※:普通徴収⇒住民票住所へ納税通知書が届く。

            納税者本人が直接支払い

※自営業、フリーランス、個人事業主など。

特別徴収は、会社が1月末に前年1年間(1月~12月)の給与額を「給与支払い報告書」として各市町村へ申告し、それに対して市町村が計算をして個人の「住民税決定通知書」をまとめて会社へ通知します。通常、個別の通知書は総務などから、6月給与時期に各自へ配られます。

「住民税決定通知書」は郵送だと早いところで4月、遅くても5月中旬くらいまでには発送され、6月から5月を1年サイクルとしています。

図1

給与支払報告書(源泉徴収票)は、従業員が会社に登録している住所に提出します。

しかし、上図のC市のように、給与支払委報告書を提出しても「該当者なし」として返却されることがあります。よくあるのは、実家等に住民票をおいたまま現住所に住んでいる、新入社員や単身赴任の方です。

地方税法の規定により、住民税は毎年1月1日現在で「生活の本拠地」課税されることが定められています。「生活の本拠地」とは本来、住民票がある場所です。 ただし、住民票がある場所以外の市区町村に住んでいる場合は、実際に住んでいる市町村で課税されます。

住民基本台帳法によると、住民票を移すことは義務となっており、『選挙、免許書更新、確定申告』など、各方面で不便な状態となりますので、放置せず移すようにしましょう。

(ちなみに上図のように返却されても、1月1日に該当者がC市に居住している事を会社が改めて報告すれば、C市で課税してもらう事はできます。)

転職時の住民税

質問者

転職のために退職すると住民税ってどうなるんだろう?


まず、住民税は「前年分の給与(収入)」に基づいて支払うため、新卒で入社し、1年未満で転職活動している方は、まだ対象ではありません。(アルバイトで高額収入等は除く)

逆に会社を辞めて無職になり、収入が途絶えたとしても払わなければいけない税金です。

正社員で1年以上勤務し、住民税を天引き中に退職する場合、残りの住民税は下記3択となります。

普通徴収に切り替える

②最後の給与で一括徴収天引きしてもらう

③次の勤務先で特別徴収を継続してもらう

※次の就職先がきまっており、年内の転職の場合

一般的に多いのは①の普通徴収です。ただし、1月以降の退職は、残りの住民税を「一括徴収」とされていますので、注意しましょう。

細かい例外はありますが、住民税は転職のタイミングによって「一括徴収」されることがあるのを覚えておきましょう。転職時の貯蓄や資金がギリギリの方は特に注意が必要です。

その他の社会保険

社会保険について詳細を書くと長くなるので、簡単に分類します。こちらも転職時、知らない方は多いようです。

①健康保険+年金

退職後、国民健康保険、国民年金の手続きは市町村役場です。会社が健康保険組合に加入していれば任意継続も可能ですので、希望者は退職前に確認しておきましょう。

②雇用保険

雇用保険の被保険者として、月11日以上の勤務が12か月以上あれば、失業保険の受給資格があります※。前職場で離職票をもらい、職業安定所で手続きしましょう。

ちなみに就職すると、前職の「雇用保険被保険者証」のコピーを求められます。

紛失していても「雇用保険被保険者番号」がわかれば大丈夫なので、離職票に記載してある「被保険者番号」がわかるようコピーをとるか、番号をメモしておきましょう。被保険者番号は基本的に転職しても同じ番号を使います。

※ギリギリの場合、退職の日の関係でに対象とならない場合もあります。職安のホームページで確認するか、退職のタイミングを1か月以上、余裕を持つことをお勧めします。

転職時の住民税対策

転職活動のため、次年度までの住民税を「年税額分」別途予算を組んでいれば良いのですが、そんな方はなかな居ません。

そこでお勧めなのが「ふるさと納税制度」です。

返礼品もありますが、要は住民税の一部前払い制度ですので、いざ転職→退職という時に少しですが「住民税残額」が減ります。

転職するかも・・という方は早めに利用しておきましょう。

まとめ(住民税のポイント)

・住民税は前年の給与に基づいて支払われる。

・退職時、今期(5月まで)の住民税残額は把握しておく。

・1月~5月の退職は一括徴収となる。

ふるさと納税を利用して、いざという時の支払いを少しでも抑える。

転職前後に必要な「住民税」について、書いてみました。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

これからも、はじめての転職活動者を中心に、参考となる記事を執筆していきます。貴方の転職活動の一助となりますように。応援しております。

おわり